2013年09月13日

会長挨拶2013

会長挨拶
熊本ロータリークラブ
会長 井 上 勝 己

会長挨拶2013


一年間、熊本クラブの運営・管理をお預かり致します。
来年は創立75年を迎えます。この歴史と伝統に育まれた熊本クラブの「こころ」を、歴代の会長から受け継ぎ、またこれを次の会長になられる会員の皆様に、確実に引き継いでゆくという使命感を抱いて、精一杯努める覚悟です。私は、その使命感こそ、熊本クラブの会長という職責を果たす、そのエネルギーを醸し出す、私にとっての原動力ではないかと考えています。
さて、今更いうことではありませんが、私たちは国際ロータリーに所属しています。これは私達一人ひとりが日本の国を代表するボランティアの外交官だということです。活動の場所は、そのほとんどが九州管内、その中でも熊本と大分という国内のわずかなエリアです。
しかし、心構えは、世界を視野に常に考えておかなければなりません。
海外の方々、言葉を換えて言えば、気候・風土の違う環境に生まれ育った方々とお付き合いするときに、大切な基本は、相手を知ることも大事ですが、その前に自分を良く知っておくということです。この視点から眺めるとき、ある世代間においては大きな段差があります。
すなわち、外界から力でもって「自分を知ること」を遮断されてしまった時期があるということです。熊本クラブでは小学生剣道大会を主催しています。その趣旨は皆様ご存じのとおりです。この剣道が戦後7年間GHQの指令により禁止されていました。剣の道を通して日本人の心―私たちのアイデンティティーを知ること、伝えることが遮断されたのです。
熊本クラブは昭和14年創設であります。残念なことに、先の大戦の敗戦により、それまでの日本の良き伝統・誇りまで忘れてしまった、忘れさせられた面があります。ただ、そのような中、熊本クラブは、戦前まであった日本の良き伝統・誇りを、ロータリーという国際舞台で、伝え続けて来ています。だからこそ、私たちのこころの琴線に触れ、それが私たちのこころの結束を、クラブの絆を強くしていると確信します。
私は、歴史とは、「思い出すこと、思い出すことができるように常日頃から思い出すための想像力のすそ野を広げる努力を継続すること」だと思っています。思い出すことによって、その体験を今生きる自分に役立てていく。熊本クラブに入会した最初にロータリー情報委員会の先輩から「歴史と伝統」ということを、私だけではなく会員の皆様全員が聞かされていると思います。
奇しくも今年は、「古事記(ふるごとぶみ)」編纂後1301年の年に当たります。第一回例会にて、「ふるごとぶみ」をご紹介させていただく予定にしています。
本居宣長が35年かけて書き上げた古事記伝のお祝いの席で「ふるごとのふみ おらよめば いにしへの てぶりこととい ききみるごとし」と述べております。
大和の国で言います歴史とは、このことだと思います。歴史の対象は事実ではなく、「その時、生きていた人のこころ」です。その「こころの動き、こころのさま」が如何であったかを想像する、思い出すことだと思っています。
「ふるごとぶみ」に触れ、上代の親たちのこころ、すなわち敬いのこころ、慈しみのこころを、そしてその親たちの暮らしぶりを是非想像していただき、それを今に活かすことに繋げてゆきたいと存じます。
「君子の学は己のためにす」といいます。「想像力の質を高め、そういう自分を目指し努力をする場所」、「多彩な人と出会う場所」、「寂しさを原動力として、敬愛する者に出会い、仕えることのできる幸せを、喜びを感じ取れるところ」が熊本クラブなのではないでしょうか。
今年度の熊本クラブのスローガンは「思い出そう 親たち先人たちのこころ」とさせて頂きました。「創設者の皆様のおこころ」を思い出すことができれば、いやが上でも元気になります、楽しくなります、負けてはならない、その心を受け継がねばならない、というファイトが出てきます。
このようなこころで、熊本クラブでのロータリーライフを皆様と一緒にこの一年間をしっかりと愉しみたいと思います。どうぞ、宜しくお願い致します。
二つ目です。熊本クラブの特性として、県外からの新入会員の方、私たちのクラブの言葉で言い換えれば、転チョン会に所属される会員の皆さんが数多くいらっしゃいます。
少しでも熊本の歴史、気候・風土を知っていただき、また、それが転チョン会の皆さんの心身の健康に繋がるのであればとの思いから、県外からの新入会員の方に、「熊本県の歴史散歩」という書籍を贈呈させていただきます。
これは熊本県高等学校の日本史の先生方が編纂されたもので、私も平素愛読し利用しているものです。今年度入会されます転チョン会の皆さんに、井上年度における私からの心ばかりのご奉仕として受け取ってもらえたらと思っております。
なお、毎週、「ふるごとぶみ」と「熊本県の歴史散歩」とは持参します。触れてみたい、読んでみようと思われる方がおられましたら、ご遠慮なくおっしゃって下さい。喜んでご贈呈させていただきます。
最後になりますが、クラブ内のいろいろな事業を通して、会員の皆様とこころが一つになるものを感じることほど嬉しいものはありません。会員の皆様お一人おひとりと、この一年をかけて、こころが一つになるものを感じることができるように努力、精進を致します。どうぞよろしくお願い致します。
以上をもちまして会長挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。



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Posted by 熊本ロータリークラブ事務局 at 18:50│Comments(0)会長挨拶
 
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